「補助金の採択通知が届いた。あとは実行するだけ」

そう思っていたところ、いざメインの金融機関に融資を相談してみると、
思ったように話が進まない。
実は、こうしたケースは珍しくありません。

補助金は、事業を実施した後にかかった経費を精算する形で支給されます。
補助事業に必要な資金は、先に事業者自身で用意しなければなりません。
補助金の申請前に、資金調達計画を立てているはずなのですが。

手元の資金だけでは足りない場合、補助金が実際に振り込まれるまでの
間をつなぐ「つなぎ融資」が必要になります。

今回は、補助金の採択後に、なぜつなぎ融資が思うように通らないのか、
そしてどのタイミング・どう進めれば結果が変わるのかについてお伝え
します。

「採択されたのだから、融資も通るはず」は誤解

「補助金に採択された」という事実は、事業計画が一定の評価を受けたこ
とを意味しますが、金融機関に補助金を採択されたからといったそのまま
融資の可決の保証をするわけではありません。

金融機関が融資を判断する際に見ているのは、あくまで「返済できるかどう
か」です。
補助金の採択結果だけでなく、次のような点をあわせて確認されます。

  • 既存の借入も含めて、返済能力があるか
  • 事業計画が現実的で、実行できる内容になっているか
  • 補助対象外の経費や自己負担分を、自己資金で賄えるか
  • 計画的に、事前に相談へ来ているか

補助金の採択通知だけを持って駆け込むように相談しても、金融機関としては
判断材料が不足していると受け取られてしまうことがあります。

なぜ「補助金相当額」しか貸してもらえないのか

よくあるケースが「希望していた金額の全額」ではなく、「補助金でもらえる
金額分」しか融資してもらえないというケースです。

これは、金融機関が「補助金で補填される部分だけ融資すればよいのではない
か」と考えがちなためです。
金融機関としては、貸し出すリスクをできるだけ抑えたいと考えるのが自然な
発想であり、その結果、必要な資金全体ではなく、補助金相当額の範囲にとど
めた融資になりやすいのです。

事業を計画通りに進めるためには、補助金でカバーされない自己負担分の資金も
含めて、あらかじめ調達方針を考えておく必要があります。

つなぎ融資を成功させるための、相談タイミング

つなぎ融資の結果を左右する大きな要因の一つが、「いつ金融機関に相談する
か」です。

補助金の採択結果が出てから慌てて相談するのではなく、可能ならば補助金の
申請前の段階に、金融機関に相談しておくことが望ましいと考えています。

早い段階から相談しておくことで、次のようなメリットがあります。

  • 金融機関側も、事業内容や資金計画を事前に把握できる
  • 採択後の融資相談が、初めての話ではなく「想定内の話」として進めやすくなる
  • 経営者としての計画性を評価してもらいやすくなる

逆に、採択が決まってから初めて相談する場合、金融機関にとっては情報も準備
期間も少ない状態での判断になり、慎重な対応になりやすい傾向があります。

相談前に準備しておきたい書類

金融機関との相談をスムーズに進めるために、補助金採択後に準備しておきたい主な
書類は次のとおりです。

  • 補助金の採択通知書(または交付決定通知書)
  • 補助事業の事業計画書(何のために、どのように実施し、どう収益につなげるか)
  • 資金繰り表(直近の実績と、補助金入金までの見通し)
  • 決算書・確定申告書(直近数期分)
  • 既存の借入返済予定表
  • 補助事業に必要な支払額がわかる見積書等

資料をそろえたうえで、「何のためにいくら必要で、いつ・どのように返済するの
か」を筋道立てて説明できるようにしておくことで、融資審査を後押しするポイント
になり得ます。

まとめ:補助金の採択はゴールではなく、資金調達・資金繰り計画のスタート地点

補助金の採択は、事業を進めるうえで大きな後押しにはなりますが、それだけで融資
が自動的に通るわけではありません。

  • 採択後の融資相談は、できるだけ早いタイミング(申請段階)から動く
  • 補助金相当額だけでなく、自己負担分も含めた資金計画を用意しておく
  • 事業計画書・資金繰り表など、必要書類を事前にそろえておく

この3点を意識しておくだけで、金融機関との話の進みやすさは大きく変わって
きます。

事業計画書や資金繰り表の作成、金融機関への相談の進め方には、専門的な視点が
必要な場面も多くあります。
事業者自身だけで進めるのが難しいと感じたならば、専門家に相談しながら準備を
進めるのも一つの方法です。

濱元行政書士事務所(大阪府大東市)では、創業融資をはじめとした資金調達に関する
ご相談を承っております。
補助金採択後のつなぎ融資に向けた事業計画書・資金繰り表の作成支援等を通じて、
事業者様が金融機関に対してご自身の計画を正しく・分かりやすく伝えられるよう
お手伝いいたします。

補助金・融資でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。