創業融資でよく聞かれる質問10個にお答えします

「独立開業するにあたって創業融資を受けたいけれど、そもそも誰に相談して、
何から手をつければいいのか分からない」

「日本政策金融公庫と、近所の銀行や信用金庫って、結局何が違うの?」

「開業にかかる費用を計算してみたら自己資金が心もとない。それでも借り
られるのだろうか」

相談に際して、こういった話がでてきます。

独立開業を考えている方だけでなく、開業して3か月ほど経ち、資金繰りが
気になり始めた事業者からの相談もあります。

ゴルフスクール、飲食店、美容室・ネイルサロン、電気工事業、建設業、
運送業、ITフリーランス、整体院など、業種はさまざまですが、創業の
タイミングで資金調達をどうするかは、一度は悩むポイントだと感じて
います。

本投稿では、日本政策金融公庫の創業融資について、実際によくいただく
質問10個をQ&A形式でまとめてみました。

Q1 創業融資とは、そもそも何ですか?

独立・開業して新しく事業を始める方や、創業して間もない方が、開業
資金や事業を軌道に乗せるための資金を借りる制度のことです。

創業融資というと日本政策金融公庫を思い浮かべる方が多いと思います
が、銀行や信用金庫といった民間金融機関にも創業向けの融資はあります。

実際に創業時の資金調達先として選ばれることが多いのは、日本政策金融
公庫の国民生活事業が扱う「新規開業・スタートアップ支援資金」です。

対象になるのは、これから事業を始める方、または事業を始めてからおお
むね7年以内の方。設備資金にも運転資金にも使えます。

創業したばかりで、税務申告をまだ2期終えていない方であれば、原則と
して無担保・無保証人で利用できる点が特徴です。。
自己資金がそれほど多くなく、担保や保証人を用意するのが難しいという
方でも、比較的利用しやすい制度になっています。

融資を受けた資金は、たとえば次のような用途に充てられます。

  • 店舗・事務所の取得費用や内装工事費
  • 機械設備、備品、車両などの購入費
  • 商品の仕入れ資金
  • 広告宣伝費
  • 人件費や家賃といった運転資金

創業融資は、開業時の不足分を補うだけの制度ではなく、開業後しばらくの
資金繰りを支える役割も持っています。

開業前の段階から準備を進め、自社に合った制度を選んでおくことが、その
後の経営を安定させる第一歩になると考えています。

Q2 個人事業主でも利用できますか?

利用できます。

株式会社や合同会社といった法人に限らず、個人事業主の方も対象です。

Q3 法人を設立する前でも申し込めますか?

日本政策金融公庫は、これから事業を始める方も対象にしているため、
法人設立前の段階でも相談や申込みに進めることがあります。

一方、民間の金融機関は制度ごとに条件が異なりますので、事前に確認
しておいたほうが安心です。

Q4 自己資金はどのくらい必要ですか?

実は、日本政策金融公庫から「自己資金は◯%必要」といった明確な基準は
公表されていません。

これまでの経験から言うと、開業にかかる総費用の3割程度は自己資金として
用意できている方がよいと考えています。

金融機関の担当者の方からも「3割程度あるのが望ましい」という話をうか
がったことがあります。

開業資金が1,000万円だとすれば、300万円ほどの自己資金があると言うこと
です。

もちろんこれはあくまで目安の一つであって、絶対的な基準ではありません。

審査では自己資金の額だけでなく、これから始める事業についてどれだけ
経験があるか、創業計画書の内容、売上や利益の見込み、資金の使い道、
返済計画なども合わせて見られています。

Q5 いくらまで借りられますか?

日本政策金融公庫の創業融資には、制度ごとに融資限度額が定められて
います。

これは「制度上、借りられる可能性がある上限」であって、誰でもこの
金額まで借りられるという意味ではありません。

実際の融資額は、Q4でも触れた通り、事業経験や創業計画書の内容なども
含めて総合的に判断されます。

「上限はいくらか」を気にするよりも、「この事業に本当に必要な資金は
いくらか」を基準に計画書を組み立てていくほうが、結果的に説明しやす
くなります。

Q6 申し込みのタイミングはいつが良いですか?

一般的には、開業の準備が整い、創業計画書や必要書類がひと通り用意
できた段階で申し込むケースが多いです。

申し込む前に一度立ち止まって、次のような点を見直しておくことを
おすすめしています。

  • 創業費用の総額に漏れがないか
  • 自己資金がいくら用意できているか
  • 借入希望額が事業規模に見合っているか
  • 売上や利益の見込みに根拠があるか
  • 創業計画書として形になっているか
  • 行政書士など専門家に一度チェックしてもらったか

開業後であっても、税務申告をまだ2期終えていない場合は創業融資の
対象になることがあります。

資金が足りなくなってから慌てて動くのではなく、余裕を持って早めに
準備を始めていただくのが理想です。

Q7 創業計画書には何を書けばいいですか?

主な記載項目は、創業の動機、事業内容、商品・サービスの特徴、必要
資金、自己資金、売上計画、利益計画、返済計画といったところです。

このなかで特に大事にしていただきたいのが、売上や利益の数字に根拠を
持たせることです。

たとえば、

  • 前職で同じ業界に10年間勤めていた
  • 前職では月に何件くらいの顧客を担当していたか
  • 独立後、すでに見込み客がいる
  • 客単価は前職や近隣店舗の価格を参考にした
  • 営業日数・稼働日数から積み上げて売上を計算した

といったように、ご自身のこれまでの経験や実際の市場データをもとに
数字を組み立てると、計画に説得力が出ます。

「月商100万円です」と書くだけでなく、「なぜ100万円になるのか」を
説明できるかどうかが分かれ目になります。

Q8 面談では何を聞かれますか?

創業した理由、これまでの事業経験、資金の使い道、売上の見込み、
自己資金の状況といった内容を聞かれることが多いです。

創業計画書に書いた内容を、資料を見なくてもご自分の言葉で説明
できるように準備しておくと、面談もスムーズに進みます。

Q9 申込みから融資実行までどのくらいかかりますか?

日本政策金融公庫の創業融資は、申込みから融資金の入金まで、おお
むね1か月から1か月半程度が目安です。

手続き 目安期間
申込み〜面談 約1〜2週間
面談〜審査結果(可否決定) 約2〜3週間
契約手続き〜融資実行(入金) 約1週間〜10日

これはあくまで一般的な目安で、提出書類に不備がある場合や、追加
資料の提出を求められた場合、申込みが集中する時期などは、もう少
し時間がかかることもあります。

店舗の契約日や設備導入の時期が決まっているのであれば、そこから
逆算して、少なくとも1か月半〜2か月程度は余裕を見て準備を始めて
いただくと安心です。

創業計画書や必要書類を事前にしっかり整えておくことが、結果的に
手続きをスムーズに進める近道になります。

Q10 日本政策金融公庫と銀行、どちらがおすすめですか?

日本政策金融公庫は創業支援を目的とした政府系の金融機関で、創業
時の資金調達先として選ばれることが多い機関です。

銀行や信用金庫では、信用保証協会付き融資や自治体の制度融資を利用
できる場合があります。

どちらが向いているかは、事業内容や資金の使いみち、創業の時期に
よって変わってきますので、一概にどちらが良いとは言い切れないと
いうのが正直なところです。

おわりに

初めて創業融資を検討する方が、不安や疑問を抱えるのは当然のこと
だと思います。

ただ、正しい知識を身につけたうえで創業計画書や資金計画をきちんと
準備すれば、思っているより落ち着いて手続きを進めることができます。

濱元行政書士事務所では、大阪で開業を予定されている方、開業して間も
ない事業者の方を対象に、日本政策金融公庫の創業融資に関するご相談、
創業計画書・収支計画書の作成支援を行っています。

「自分の場合は利用できるのだろうか」、「何から準備すればいいのか
分からない」という方は、お気軽にご相談ください。